2014年06月20日

逆説的家族療法アプローチ



現代社会,会社,学校,グループ,地域コミュニティなどなどにおいて,個人化、社会の要請にとらわれて,問題が硬直してしまうこともあります。

「・・・ちゃんと勉強しなさい」
「いい学校に入りなさい」
「いい会社に就職しなさい」
「・・・結婚しなさい」
「もっと稼ぎなさい」
などなど。

私たち現代人は,個人の適応力,能力,対処を迫られます。
そして,そられにうまく対処できないときは,その人,個人の能力や行動になんらかの問題があると判断されてしまいます。

でも,たとえば,「ひきこもり」自体にはどんな問題があるのでしょうか?
多くの場合それ自体に問題はないかもしれません。(*疾患や病気が明らかな場合を除きます)

それを“問題”と思っているのは,お母さんまたはお父さんが,
「世間体が悪い」
「はずかしい」
「妻(夫)の育て方が悪い」
等と“問題”であると考えている場合が多いようです。これは,親御さんの願望であり,それを迫る“個人化” であるかもしれません。
本人は,なんらかの“個人化”に失敗や挫折の経験があるかもしれません。それに,

「・・・ちゃんと勉強しなさい」
「いい学校に入りなさい」
「いい会社に就職しなさい」
「・・・結婚しなさい」
「もっと稼ぎなさい」
親御さんの願望の個人化を迫ることは,抵抗を強めるだけかもしれません。
問題は本人の中にあると見なされていて,家族のすべてのメンバーが,これに影響され,疲れて,問題がいつまでも続くことを,自分たちや,自分たちの人間関係のせいだと感じている。そして,家族は個人的にも様々な弊害を持っていると感じている。

たとえば,子どもが担任教師を嫌って学校へ行かないと言い出したとき,校長先生に来てもらって子どもを説き伏せ,無理やり学校に引っ張っていくのは治療ではなく説得,あるいは強制です。そうではなくて,担任教師と不和をこの子どもの家族の親たちの不和のメタファー(隠喩)ととらえて,両親の関係に介入したとすれば,それは逆説的戦略的アプローチです。

<参考文献>
White, M. & Epston, D. (1990). Narrative Means to Therapeutic Ends. Australia: Dulwich Centre Publications: (マイケル・ホワイト,デビット・エプストン
共著 小森康永(訳) (1992). 物語としての家族 金剛出版)
斎藤学(2008)「家族神話」があなたをしばる 元気になるための家族療法 日本放送出版協会



posted by ikuaka at 09:58| ○ご相談のケーススタディ
カウンセラー/臨床心理士  明石郁生 家族とAC研究室 http://www.ikuoakashi.jp
ACという生きる力ー自分の専門家になるー無料 News Letter
カウンセラーのためのマーケティング実践 無料 News Letter