2011年08月10日

ご質問:ほんとうの自分ってなんですか?

例として、ナラティブアプローチの「自己」についてご紹介します。

K.J.ガーゲンは、「自己」を認知や感情という言葉で表現するような、内的現実として捉えるのではなくて、「自己の社会的構成」として捉えた。

初期の家族療法家は、人が自分自身について抱く考えが変わるのは、その人の周囲にいる人の見方が変化するときではないかと考えた。

L・ホフマンは、「自己」を川や気流のように流れゆく歴史の延長として見た。オーストラリアの原住民アボリジニが自分たちの「ソングライン」を考えるように自己を考えるようになった。ソングラインとは,人々が住む生活圏の中の,ある場所とある場所をつなぐ道をめぐる音楽的な地図である。

人はこうしたソングラインのひとつに生まれ,その一部しか知らない。

アボリジニが特定のソングラインについて知識を増やす方法は,一時的に移住区を離れ「さまよい歩くこと」であり、
別の詩歌を知っているはるか遠くの人たちに出会うことである。

ソングラインを示しあうことで重要な知識が交換される。

これらのソングラインは,さまざまな,祖先の霊ー動物,植物,山や川ーなどに結びついておりそれらは,人間が生まれる以前の「夢の時代」に生まれたものとされている。
彼らは,まったく異なる場所に住む人と共通の祖先を持つこともある。

この神話の素晴らしさは,個人のアイデンティティが人間の内部に存在するのではなく,他の何らかの組織のなかに存在するものでもないところにある。

それは,時間的な流れによって形つくられ,道の一部分のような単純さと,波紋のような
複雑さをもち,歌うことと歩くことによって現れて来る。

この実践によって生態の理解と、社会の理解とが織り合わされるところが印象的である。

<引用文献>
S.マクナミー,K.J.ガーゲン(1997)編 野口祐二・野村直樹 訳 
ナラティヴ・セラピー 社会構成主義の実践 金剛出版


単一な自己にしばられているのは,家族からのしばりかもしれない。
それは、淀んでいて、出口がなく、つらいこともある。

ナラティブセラピーでは、「自己」とは自分をも含めた他者との関係性であると捉えます。

歩いてみよう、言葉にしてみよう、まだ見ぬ人々が、あなたを待っている。
どんな言葉になるでしょうか?
何を話したくなるでしょうか?

その時どんな気分になるでしょうか?
その時の風を感じてみよう。
その気分を、また話してください。

家族とACカウンセリング
posted by ikuaka at 09:56| Comment(0) | ○ご相談のケーススタディ
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カウンセラー/臨床心理士  明石郁生 家族とAC研究室 http://www.ikuoakashi.jp
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